
こけた。子供じゃあるまいしと思っても、とにかくこけた。会社帰りの夜道、普段、あまり通らない道を急いでいたら、車止めに低く鎖がぶら下がっていて、あっ、と思ったら、体が浮いていた。あごと胸を打った。いたい。でも、そのときは何事もなかったかのように、すっくと立ち上がる。ズボンと上着に付いた砂を払う。あごに手を当ててみる。血は出ていない。電話が転がり出ているのを拾いあげる。ヘッドフォンが片方しか聞こえない。 とにかく帰るしかないので、歩き始める。タクシーで帰ろうかと思ったが、この格好を説明するのが面倒くさいので、ひたすら歩く。歩けるということは、少なくとも大けがはしていないのだろう、と思うことにする。 何度見ても時計が同じ時刻のような気がする。よく見るとガラスがない。また、壊してしまった。二年ほど前にも、落として壊した。結納の時計なのに。あのときはヨドバシカメラに持ち込んで、運良く直った。今度はどうだろう。まあだめでも文句は言えない。 それにしても昔からよくこけたり、落っこちたりする。小学生のとき、登校班長で田んぼに落ちた。中学生のとき。自転車で友達と登校していて、カーブを直進してどぶに落ちた。あれからガードレールが付いた、と語りぐさになった。会社に入ってからも、よくこけた。クロスカントリースキー大会で全速で直進中にストックを付いたら、顔からこけて、サングラスで流血した。傷跡もなく完治したのは若かったおかげだ。自転車で通勤していた頃、歩道から車道におりるとき、車輪をとられて真横にこけた。 自分でも、よくここまで無事でいられたものだと、感謝したくなる。今日もあれだけ強打しても壊れたのが時計だけというのは幸運なのだろう。厄払いのおかげかもしれない。 明日からはゆっくりあるこう。 Apr.9th Thu, 2009 |